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2010年3月31日前に情報基盤強化設備などを取得した時の税額控除や特別償却

 

青色申告を行った法人が2006年4月1日~2010年3月31日までの間に、製作されてから一度も使用されたことのない情報基盤強化設備などを製作・取得して、日本内の法人が経営する事業用として使用した場合、その事業用として使用した日の属する事業年度に税額控除や特別償却ができるという制度がありました。この制度は2010年度の税制改正で廃止され、2010年4月1日から製作・取得をする情報基盤強化設備に関しては、この制度の適用はされません。ただし、2010年4月1日から行われる所有権移転外リース取引による取得は、税額控除の適用ができることとなっています。

この制度が適用される資産は、新品の情報基盤強化設備などで、当該事業年度の指定期間内に、事業用で使用したものの取得価額の合計が一定の額数以上になるものです。
その一定の金額は、青色申告法人の資本金などの額によって異なります。
資本金などの額数が一億円以下である法人と協同組合、公益法人などの場合は700,000円になり、資本金などの額数が一億円以下である法人と協同組合、公益法人などを除いた資本金などの額数が十億円以下である法人の場合は30,000,000円に、そしてこれらの法人以外の法人は一億円になります。

情報基盤強化設備などとは、下記のような資産をいいます。
1.データベース管理ソフトウェア(ISO/IEC15408に従った認証や評価を受けた者に限定)やその管理ソフトウェアに関わるデータベースを構成する情報を加工させる機能があるソフトウェア
2.基本システム
(1)サーバー用のオペレーティングシステム(ISO/IEC15408に従った認証や評価を受けた者に限定)
(2)サーバー用の電子計算機:(1)のシステムに書き込まれたものに限定。
3.連動ソフトウェアから指令を貰って、その情報処理システムの他の情報処理システムに指令をするソフトウェアで、下記の機能を持っているものの中で、情報処理の促進に関する法律第3条第1項の定めによる電子計算機利用高度化計画から決まった動向第2号に記されているプログラムとして独立行政法人情報処理推進機構によって同法第20条第1項第5号の技術上の評価を貰ったものに限定
(1)指令を実行すべき情報処理システムを特定させる機能
(2)日本工業規格X0027の規定によるメッセージの形式に基づいて日本工業規格X4159に合う言葉を使って記述された指令を貰い、これを日本工業規格X5731-8に従った認証をすること
(3)(2)の指令を貰ったという内容を記録する機能
(4)指令を実行すべき情報処理システムに関する指令を実行する時に、そのシステムから開くことができる形式や内容の付加・変換によって最適な経路を選ぶ機能
4.1~3の減価償却資産と共に設置するファイアウォール・ファイアウォールソフトウェア装置(ISO/IEC15408に従った認証や評価を受けた者に限定)

この制度の適用対象になる事業年度は、2006年4月1日~2010年3月31日までの間に情報基盤強化設備などを製作・取得してその法人の日本内の事業用で使用した場合の、その使用した日の属する事業年度になります。
*清算中のそれぞれの事業年度や、解散の日の属する事業年度は除外です。

この制度を適用して控除できる税額の限度額は、対象の情報基盤強化設備などの取得価額の7割に当たる額数の1割相当の金額になります。
しかし、資本金などの額数が十億円を超過する法人の適用対象投資の額数が2百億円を超過する場合は、その2百億円にその設備などの取得価額が適用対象投資の額数に占める割合を掛けた額数がその取得価額になります。
なお、限度額がその事業年度の法人税の2割相当の額数を超過する場合は、その2割相当の額数が限度になります。
また、税額控除限度額が当該事業年度の法人税の2割相当の額数を超過したため、控除限度額の全てを控除しきれなかった時は、その残額に対して1年間にわたって繰り越すこともできます。この繰越控除の適用をしたい場合は、対象の情報基盤強化設備などを事業用で使用した日の属する事業年度の後のそれぞれの事業年度の確定申告書にその限度超過額の明細書を添えると同時に、その繰越控除を適用しようとする事業年度の確定申告書などに繰越控除を適用する金額を記して、その金額の計算に対する明細書を添えてください。

一方、特別償却を適用する場合のその償却限度額は、普通償却限度額と特別償却限度額(対象の情報基盤強化設備などの取得価額に0.7を掛けた金額の半分)との合計になります。
資本金などの額数が十億円を超過する法人の適用対象投資の額数が2百億円を超過する場合は、その2百億円にその設備などの取得価額が適用対象投資の額数に占める割合を掛けた額数がその取得価額になります。
特別償却の適用をしたい場合は、確定申告書などに償却限度額の計算に対する明細書を添えて申告してください。
この制度の適用をした場合は、租税特別措置法上の圧縮記帳と他の税額控除や特別償却と重複して適用することはできません。(研究開発税制は除外)

中小企業者などに対する教育訓練費の税額控除の制度について

 

資本などを持っていない法人の中で常時使用されている従業員数が1千人以下である法人と、資本金などの額数が1億円以下である法人(同じ大法人が出資や発行済み株式等の総額や総数の半分以上を持っている法人や、二つ以上の大法人が出資や発行済み株式等の総額や総数の2/3以上を持っている法人は除外)などが2008年4月1日~2012年3月31日の期間内に始まるそれぞれの事業年度に、損金算入される労務費の額の中で教育訓練費が10000分の15以上を占める時に、その教育訓練費の額数の一定の割合の税額控除が可能な制度がありました。現在は2011年12月の税制改正で、適用期限の到来をもって廃止されています。
*清算中の各事業年度や、解散の日の属する事業年度は適用対象から除かれます。

この制度の適用対象になる教育訓練費は、使用人の職務に要する知識や技術の習得・向上させるために法人が支払う費用で、下記のような費用のことです。
しかし、養育訓練費に補充するために他人から支給される額数がある場合は、その額数を控除した残額が、制度の適用対象になる教育訓練費となります。
1.法人が教育訓練などのために使用する教材、教科書などを製作・購入するための費用
2.法人から委託を受けた他人が、教育訓練などをする場合に、その他人に対して支給する費用
3.法人がその使用人に対して、訓練・講習・教育・研修などを自らするために指導者や講師に対して支給する謝金、料金、報酬とその教育訓練などに必要な設備、施設などを貸借する時の使用料など
4.法人がその使用人を他の人がする教育訓練などに参加させる場合に支給する受験手数料、授業料、受講料など
適用対象になる労務費は、教育訓練費の他にも健康保険料や労働保険料等の法令の定めによって事業主が負担することになっている費用で使用人に関わる法定福利費、賃金や俸給、給料、賞与、歳費とこれらと類似の性格であるもので使用人に対して支払われる給与などが含まれます。

この制度での税額控除限度額は、その教育訓練費の割合によって計算の仕方が異なります。しかし、税額控除限度額が当該事業年度の法人税額の2割相当の額数を超過する場合は、その2割相当超過額が限度額になります。
1.労務費の額の中で教育訓練費が10000分の15以上を占めると同時に、10000分の25に満たない場合: 損金算入された教育訓練費用に、(教育訓練費割合‐0.0015)X40+0.08で計算された割合を掛けた額数
2.労務費の額の中で教育訓練費が10000分の25以上を占める場合:損金算入された教育訓練費用の0.0012倍相当の額数

この制度を適用するためには、控除を貰う金額の計算に関わる明細書と教育訓練などの実施年月日、内容、参加者名などを記した書類を添えるとともに、その金額を確定申告書に記す必要があります。

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