環境関連投資促進税制の適用

 

環境関連投資促進税制とは、法人が2011年6月30日~2016年3月31日の期間内に、製作されてから使用されたことのないエネルギー環境負荷低減推進設備などを製作・取得・建設をして、その日から1年以内に日本内の事業用として使用した場合は、その使用した事業年度に、特別償却や税額控除ができるものを言います。
この税制中で特別償却は青色申告法人であれば適用対象になるが、税制控除の適用対象は、その法人の資本などの金額によって違ってきます。
税額控除の適用対象は、青色申告を行った、農業協同組合などや、資本などの金額が1億円を超えない法人か資本などを持っていない法人の中で常時従事している従業員数が1千人を超えない法人になります。しかし、資本などの金額が1億円を超過したり、常時従事する従業員数が1船員以上である同一の大規模法人に発行済株式・出資の総数や総数の5割を超えて所有されている法人と、2つ以上の大規模法人に発行済株式や出資の総数や総数の66%を超えて所有されている法人は除外となります。
この制度の適用対象になる事業年度は、指定期間内にエネルギー環境負荷低減推進設備などを製作・取得して、その事業用として使用した日の属する事業年度になりますが、清算中の各事業年度や、解散の日の属する事業年度の場合は除外となります。

この制度の適用対象になるエネルギー環境負荷低減推進設備などは、製作・取得・建設をしてから事業用として使用されたことが無い以下の減価償却資産のことで、指定期間内に製作・取得・建設をし、その日から1年以内に事業用として使用されたものをいいます。
1.エネルギーの有効利用の促進に大きく寄与する機械やその他の減価償却資産で、以下の項目に当てはまるもの
(1)一定の風力発電設備や太陽光発電設備:浮力発電設備でその出力が1万kwを超えるもの及び太陽光発電設備でその出力が10kwを超えるもの(制度の適用を為には、電気事業者による再生可能エネルギーの調達に関わる特別措置法施行規則第7条第1項の申請書のコピーと経済産業大臣の同法第6条第1項からの認定をされたという内容を証明する書類のコピーを確定申告書に添える必要があります。)
(2)新エネルギー利用設備など:バイオマス利用装置、中小水力発電設備(2013年4月1日から製作・取得・建設したものに限られます)、水熱利用設備
(3)熱電供給型動力発生設備:熱電供給型動力発生装置(コージェネレーション設備)
(4)二酸化炭素排出抑制設備など:電気自動車、高断熱窓設備、ガス冷房装置、定置用蓄電設備、高効率照明設備、高効率配線設備、断熱強化型工業炉、高効率複合工作機械、高効率型電動熱源機、ハイブリッド建設機械、熱併給型動力発生装置、高効率電気式誘導加熱炉、電気自動車専用急速充電設備、プラグインハイブリット自動車、氷蓄熱式冷凍機組込型空気調和機、高性能工業炉廃熱回収式燃焼装置、コンバインドサイクル発電ガスタービン、エネルギー回生型ハイブリッド自動車
2.建築物に関するエネルギーの使用の合理化に大きく寄与している設備:エネルギー使用制御設備(インバーター、中継装置、電子計算機、測定装置、可変風量生業装置)
*この場合、制度の適用対象になるためには、その設備が設けられた構築物が、ある一定の基準を満足させるものであることに対し、経済産業大臣から確認されたというないようが証明される書類を確定申告書に添付する必要があります。

*上記の1の(1)~(4)の設備などを貸付用として使用した場合、上記の1の(1)~(2)の設備などを電気事業法第2条第1項第9号の定めによる電気事業用として使用した場合、上記の2の設備を住宅用として使用した場合、そして地方公共団体や国の補助金や給付金とこれらに類似の交付を貰って目的にあっているエネルギー環境負荷低減推進設備などを2013年4月1日から製作・取得・建設した場合は、この制度の適用対象に含まれません。

税額控除の限度額は、エネルギー環境負荷低減推進設備などの取得価額0.7割相当額数となります。しかし、控除限度額が当該事業年度の法人税額の2割相当額を超過する場合は、控除対象となる金額はその2割相当額になります。また、2割相当の額数を超過するため、その事業年度に控除限度の全額を控除しきれなかった時は、その超過額について1年間の繰り越しが可能です。
償却についての限度額は、対象のエネルギー環境負荷低減推進設備などの3割相当額数となります。
また、上記の「適用対象資産」の1の(1)~(3)に当たる設備の特別償却の限度額は、その設備の取得価額から普通償却の限度額を差し引いた金額相当の額数にされ、その事業用として使用した事業年度での取得価額の全額の償却ができます。
それに、2011年6月30日~2012年5月28日までの期間内に製作・取得・建設した太陽光発電設備・風力発電設備に関する特別償却の限度額は、その取得価額の3割相当の額数になります。

*一つの資産に関してこの制度での税額控除と特別償却を重複して適用することはできません。
*この制度による税額控除や特別償却の定めの適用が受けられた場合は、租税特別措置法上の圧縮記帳と、他の税額控除や他の制度での特別償却の定めとの重複適用はできません。
*特別償却の適用対象になることの代わりに、特別償却限度額を超えない金額を損金経理することで特別償却の基準金として積み立てることや、当該事業年度の決算確定日までに剰余金を処分することで特別償却の準備金として積み立てることで、損金算入することも可能です。
*特別償却の適用対象になるためには、確定申告書などに償却限度の額数の計算に対する明細書を添えることが必要です。
なお、税額控除の適用対象になるためには、確定申告書に控除対象にする金額を記すとともに、その額数の計算に対する明細書を添えてください。
また、繰越税額控除限度額の繰越控除の適用を受けるためには、その限度超過額が発生した事業年度の後の各事業年度の確定申告書に限度超過額の明細書を添えると同時に、限度超過額の繰越控除の適用対象にしたい事業年度の確定申告書などに繰越控除の対象金額を記して、その額数の計算に対する明細書を添えて申告することが必要です。

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