青色申告をした事業年度の欠損金に対する繰越控除
確定申告を行う法人の各事業年度が始まる日の前の9年以内に始まった事業年度で、青色申告をした事業年度に発生した欠損金は、その当該事業年度の所得金額の計算上、損金算入がされます。
繰越控除される欠損金の額数は、各事業年度が始まる日の前の9年以内に始まった事業年度に発生した欠損金となります。しかし、この欠損金からは、この繰越控除の適用を受けたい事業年度の前の事業年度ごとの所得金額の計算に当たって、損金算入された欠損金額と「欠損金の繰戻による還付」の定めによって還付されるべき額数の計算の基になった欠損金は除外となります。
なお、損金算入される欠損金額は、欠損金に対する繰越控除の適用は受けられないと同時に、法人税法第59条第2項、同条第3項・第62条の5第5項の適用を受けない者として計算された場合のその事業年度の所得金額が限度になります。
資本金などの額数が1億円以下である法人の中で完全子法人などを除く中小法人以外の法人は、2012年4月1日から始まる事業年度から、その控除限度額を繰越控除を行う事業年度のその繰越控除をする前の所得額の0.8倍相当の額数とします。
欠損金の繰越控除を行う法人は、その欠損金が発生した事業年度に青色申告をすると同時に、その後の事業年度ごとについても引き続けて確定申告をしている法人となります。このように欠損金が発生した事業年度に青色申告をしておけば、その後の事業年度に行った確定申告が白色申告でも、繰越控除の定めの適用が受けられます。
しかし、他人による特定支配関係のある法人が、その関係を結ぶことになった日から5年以内に旧事業の全部を廃止するとともに、その旧事業の事業規模の大概5倍を超過する資金を買い入れたなどの一定の事由に当たる場合は、その日の含まれる事業年度の後の各事業年度は、その適用事業年度の前の各事業年度が発生した欠損金などに関して、繰越控除の適用は受けられません。
この繰越控除の控除対象となる欠損金が2つ以上発生した場合の順番は、最も古い事業年度の欠損金から損金算入されることになります。